〖お困り〗年少年中の年子の母。朝はまだ余裕があるのですが、午後になると、疲れてついイライラしてしまいます。家の中は片付かないし、子どもたちもトゲトゲしくなるし、ケンカばかりだし…。上の子が下の子に投げつける言葉が私にそっくりで、あぁ、私はこんなに荒々しいんだとイヤになるのですが、母親の言葉って優しい方がいいんですよね…。
〖お答え〗優しい方がいいとわかっているのだけれど、つい、というお母様は たくさんいらっしゃると思います。お若いお母様は特に、お子さんが大きく思えるのでしょう。ついつい、小さな幼児に無理な要求をしてしまいがちです。空気の教育という言葉がありますが、幼児はお家の雰囲気で育ちます。お家が柔らかい雰囲気だとそのような人柄に。荒々しい雰囲気だとそのような人柄が形作られる、ということです。
言葉は身体の中を通って出た心そのものなのですから、優しく温かい言葉がいいに決まっています。お子さんたちが、強くて荒々しい言葉を平気で使うようになれば、行動もそれなりになってしまいます。そして悪循環。お子さんたちに向かって、また強い口調がついつい口から出てしまい、気付いたのだけれど引っ込みがつかない時、語尾ぐらいは優しくしてみましょう。途中で調子が変わってちょっと変ですけど。お母様がちょっと変わると、お子さんたちも何か感じますから、ちょっと変わります。
「あら、子どもたちの言葉つきが今日はあまり強くない」と感じたら、「いい言葉ね」とか「優しいわね」と、その時言ってあげる。お子さんは嬉しいと心が前向きになりますから、遊びが長もちします。お母様は洗濯物を取り込んだりで行ったり来たりなさるでしょう。無駄に行き来しないのですよ。通りすがりに「いい事考えたわねえ」とか「仲よく遊んでえらいわねえ」など声をかけるのです。褒められて嬉しくない子どもはいませんから、もっと一生懸命遊ぼうという気持ちになります。
また、何か取りに行く時、出しっ放しの椅子を定位置に戻したり、来る時空いている方の手で、散らばっているブロックを適当にまとめておいたりしましょう。ぐしゃぐしゃでなく、通り道ができる程度になっていれば、お子さんの頭も整理されていい考えで遊べますし、後で片付ける時、ため息をつかなくてもいいですもの。夕方、幼児はくたびれていますから、「遊んだんだから片付けなさい」と言ったってやりません。また、口ばかり言ってやらせていても身に付きません。
お母様が片付け始めるのです。“のたのた”でなく“リズミカル”に始めると(疲れていてもその方が楽です)お子さんのどちらかが思わず”手伝いたくなります。お母様も嬉しいですから「わぁ!ありがとう!えらいわねえ!」と、言葉に心がこもります。するともう一人の心も動きますから、もう一人も手伝ってくれるでしょう。お母様はますます嬉しくて、もう一人も心から褒めたくなりますよ。気が付くとご自分の言葉も荒々しさがなくなっています。嬉しいですね。
億劫がらず身体を使うのです。その方が結局楽です。そしてお子さんをよく見、よく褒めましょう。叱るより難しいですよ。リズミカルな生活になれば、お子さんもよく食べ、よく遊び、よく眠ります。機嫌がよく安定した生活が繰り広げられるため、お母様も体調が良くなり、怒ることがなくなります。
また遊びだしてしまい「まだお風呂に入りたくなあい!」の時でも、幼稚園のリズム遊び♪はとはとおいで~や♪自動車自動車ブーブーブッブッブッなどで、叱らずいつの間にかお風呂に誘えます。今度教えてあげますよ。お子さんは母の味を、母は我が子の味を思いきり味わえるといいですね。