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子どもと遊んでも楽しくない

〖お困り〗満3歳児女児。家でも公園の砂場でも、カップやお皿に何か載せて「食べて」と持ってきます。「おいしい」と食べてあげるのですが、それでおしまい。飽きっぽいのか遊びが次々に移ってしまいます。娘はこれで楽しいのでしょうか、私自身は少しも楽しくないのですが…。

〖お答え〗「熱中して遊ぶのが子ども」というようなイメージを持って我が子を見ると、何かもの足りないような気がするのでしょう。3歳の時代は、興味を持ったり辛抱強く飽きずに続けたりする力は、まだまだ淡いのです。けれど、4歳や5歳と違い夢の世界に住んでいますから、イメージを引き出してあげることを、心がけていればよく遊びます。

嬉しいことに何か作って持ってきてくれるのですから、「おいしい」だけでなく「ああ甘くておいしい」など表現してあげたらどうでしょう。「おさとう入れたんです」と、お子さんは乾いたサラサラの砂を次の料理にもふりかけ「これも甘いですよ」というように、何か考えたくなるでしょう。

「あーほんとに甘いですね、ああ何か飲みたくなっちゃったわ」とお母様がおっしゃれば、「紅茶にしますかコーヒーにしますか」など、お子さんも一生けんめい考えるでしょう。そしていろいろ混ぜたりミルクを足したりしてできあがり。「あーあったかい、フーフー」と本当らしく表現すると、本当に飲んじゃったりしていないか、のぞき込んだり、次はどうしようかと自分なりにイメージして何かおいしそうなものを考えたりします。

お母様だってじっとしてばかりはつまらないでしょうから、時々お買い物に行って葉っぱを拾って来たりします。「お野菜買ってきました」。「あ、レタスですね、じゃサラダにしましょう」と野菜ギライのお嬢さんも嬉しいですよ。「ドレッシング何味にしようか」。母と子で考えてまぜまぜしたり、次はお嬢さんがお買い物に行って何か拾ってきたりして、楽しく遊べます。

お子さんを言葉で振りまわすのではなく、お母様自身がご自身の中身を動かして表現するのです。お子さんが自ら心(=頭)も身体も動かし、工夫して遊べるように。お子さんはどんなに嬉しいでしょう。ご自身との日常がこんなに我が子の中にしまわれていたのかと、ままごと遊びを通じてお母様も実感なされるでしょう。

お子さんの力は目に見えないけれど、遊びのきっかけを作ったり、イメージを引きだしてあげれば、見えない力がいつのまにか育っていたことに気づくでしょう。小さな幼児はお母様との日常で育ちます。お母様の創意工夫が、お子さんとの楽しい毎日を作るのです。

子育てはこの世の中のどんな仕事より主体的でおもしろい。だってお母様自身がこの世に生み出して、豊かな心を持った人間に、この手で育て上げるのですもの。なんてすばらしいのでしょう。3歳は夢のある言葉をたくさん使って生活することを心がけましょうね。